27:闇の王

更新ペースが落ちてるにもかかわらず、遊びにきてくださるミナサマありがとうございますー。
すっごい気力充電させてもらってますので、何もありませんがどんどこ暴れにいらしてくださいねっ♪
そういえばブログテンプレートの話で思ったのですが、このスタイルに決定したときにタイトル絵?(ブログ名のトコ)が欲しいと思いつつそのままだということに気付いたっ(笑)
あ、大丈夫ですっ。自分で描いたのを載せると、訪問者の方の目を傷める恐れがとんでもなくあり、さらに地球がピンチに陥る可能性があるので、そんな暴挙にはでませんっ。

れす
20:06のお方
本当に嬉しいですっ♪続きを期待していただけるのがすっごいパワーになってますっ><
いつか描きたい!!っていてもたってもいられないように出来るように頑張りますっヾ(* 'ヮ')ノシ


 崩れ落ちる瓦礫の音がまだ鳴り止まぬうちに、再び狙いをつけた双葉は二撃目、三撃目を次々と放つ。チャージが無いために初めの光弾と比べ、明らかに細いレーザー光線のような青い閃光だったが速度は同じレベルを保っており、さながらレーザーの出る銃を持った狙撃兵という様相が双葉の基本スタイルでもあった。
 ウィステリアに比べ単調な攻撃が多いのは、決して彼女が能力的に劣っている訳ではなく、訓練された者とそうでない者の違いである。それに基となった真祖の戦闘方法をある程度踏襲し、それぞれに合ったスタイルへとシフトしていくという過程さえも双葉には無かった。彼女より以前に創られた4体はキッチリとその手順を踏んだらしく、ウィステリアの基である“久遠の刹那”ファインハルスも魔力によるカードを使ったスタイルであったらしい。
 双葉は“冥府の裁断”ルクレイツのことは何も知らなかった。クロセルが失踪したとはいえ、ルクレイツを狩った伊吹に聞けばどういうスタイルかという程度は知ることができたが、彼女はそれを頑なに拒否したのである。
 自分が持って生まれた能力。
 誰かのモノじゃない。
 明確に意識したわけではないが、そんなささやかな彼女なりの抵抗だったのかもしれない。

 今、魔法陣より撃ち出される光弾、その反動で二つに結んだ金髪を後へなびかせる風、暗闇の中に自分の姿を淡く照らし出す青い光、全てが双葉自身のモノでありゼロから成長した姿だという想いがある。不老である彼女にとっては、そんな少しばかりの目に見える変化が嬉しいと感じるのであった。「一般の人間は不老を羨ましがるだろうけど、もう少し成長した外見の不老でないことがクロセル最大のミスだな」という伊吹の発言が双葉の逆鱗にふれ、それ以後、新しい能力のテストは伊吹で行うことが彼女の中で揺ぎ無い決定事項になったのであるが。

 しかし、その青い閃光による狙撃も今回ばかりは風に舞う木の葉のようにゆらゆらと動くシズナにかわされ、殺風景な闇夜に踊るお団子髪の小さなダンサーを演出する不本意な役どころに落ち着き、さらに双葉のイラつきを増加させることに並みの演出以上の役割を見事なまでにしっかりと果たしてしまっている。

「うぅぅぅ! 速くはないのに、ゆらゆらくねくねと! 踊り子衣装のヴァンパイアっ!」

 かわしながら怒りを誘うように下をぺろっと出すシズナもシズナだが、場違いな衣装はどっちもどっちであろう。
 動きを予想して放った光弾がやっとシズナを捉えようとするも、彼女の放つ黒風に弾かれた頃には頭から湯気が見えそうなくらいである。怒ったときか悪巧みをしたときに登場する双葉の牙が見えているのが、今回は後者でないことを月でさえわかるのかそそくさと雲に隠れてしまった。

「ダンスの時間は終わりだぜ、お姫様」

 動きの止まったシズナへ詰め寄る伊吹。風を受ける前髪の間から見える瞳はいつもの優しい輝きは無く、狂気に彩られている。だが、迎え撃つシズナの笑っている赤い瞳にもそれは同じであった。終始崩さぬ高圧的に見える表情はただの勝気な性格の表れではなく、勝利を確信した余裕が生み出していたのだ。
 輝きを増す赤い瞳。
 それと同時に伊吹の腹部を強烈な衝撃が襲い、進行方向とは真逆へと吹き飛ばされていく。

「威力を抑えれば無色な風に力を乗せることだってできるら。うはははっ、光と闇の世界とか言ってたけど、お返しにシズナが何も無い世界へ案内してやるれ!そこで璃瑠黒衣(りるこくい)を見たことでも自慢しれ!」

 抑えたという威力はもう少しで伊吹の意識を狩りとってしまうくらいの十分なものであり、膝をついて激痛に顔をしかめながらも霞んだ映像を正常化し、その“抑えたらしい攻撃”の追撃を警戒する。

「曲が止まっちまったぜ……このプレイヤー、中々無いモデルだったのになぁ。壊れてなけりゃいいけど」

 ヘッドホンを外しながら、心の中は「見えない攻撃なんて反則だろう」という気持ちでイッパイであった。だがその気楽な心配事も、シズナを取り巻く黒風が先ほどまでとは全く別物の、辺りの月が姿を消した闇夜より深い闇の色へと変わったことで吹き飛び、体が警鐘を響かせ額から汗が流れ落ちる。

「ヴァンパイアにとっては何より怖いとか言ってたが、教えといてやるら。どのヴァンパイアでさえ一番恐れてるのはこのシズナ!」

 口元から悪戯っぽく牙を覗かせたのを合図に璃瑠黒衣が放たれ、伊吹を飲み込もうとする。確認できたときはもう目の前に迫っており、回避するという選択肢は残念ながら出現せず、選べるとしても諦めるや直撃を受けるといったどれも不愉快なものばかりであろう。
 だが結果から言えば璃瑠黒衣は伊吹の横をすり抜けていったのである。腕に同化させた爪で地面を叩き付けるように引っかき、唯一逃げ遅れたネクタイが犠牲になったものの伊吹は無傷であった。
 召喚したモノの意志……そんなものは感じたこともなかったが、ここで消滅することを拒否したとしか思えないほど無意識に腕が動いた。
 そして、璃瑠黒衣の正体はやはりダメージを与えるといった類ではなく、埃を被った本の中にしか登場しないような古の術式、触れた物を飲み込んでいく無への誘い。鋭い刃物で切断されたようなネクタイ、もはや残された役目はリボンだと言い張る程度しかなさそうだったが、それが消滅していく姿を見て確信できた。
 ただ、これが伊吹だけを狙ったのであれば何も無い世界とやらへの旅立ちを早々に済ませ、存在するかしないかは不明であるがそこの住人への挨拶で大忙しであったであろう。
 シズナ、伊吹、双葉、三人がほぼ直線上に並んでいたからこそ、シズナはまとめて始末するつもりで璃瑠黒衣を放ったのであり、僅かなズレが回避を可能にしたのである。
 したがって、第一の獲物を回収し損ねたそれは今、半分以下のサイズであろうつり目のゴスロリ服を着た少女の目の前であった。

テーマ : 自作小説(ファンタジー) - ジャンル : 小説・文学
この記事へのコメント
双葉ピーンチ!!
うわ、気になって寝られん(朝ですけど^^;
いき♂ | URL | 2008/04/11/Fri 08:29 [EDIT]
>いき♂サマ
なんだかのびーてしまってごめんなさいっ。
そろそろ新展開へ突入したいと思っています><
兎和 | URL | 2008/04/22/Tue 00:47 [EDIT]
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