あれぇ、双葉ドコ……(汗)
ベルセネ大聖堂の一角にある、今は限られた者しか近づこうとはしない小さな部屋。そこを訪れた誰もが部屋の主を間違えるであろう大きな要因となっている大量のぬいぐるみは、動物をモチーフにしたものもあれば、何かのキャラクターや空想上のものまで様々である。これら全てに名前がちゃんとつけられており、一見しただけでは見分けのつかない同種のぬいぐるみまでキッチリと把握しているのは所有者であり実行犯でもある夏耶だけだった。既にベッドから起き上がることも叶わない病床の父親が少しでも寂しくないように一つ、また一つと持ち込んでいるうちに部屋はぬいぐるみで埋め尽くされ、今では彼女の部屋よりらしくなってしまったという訳だ。
そんなぬいぐるみたちに混じり、ベッドの傍らで布団にしがみつきながら嬉しそうに話す夏耶。実は学校から帰宅してすぐに父親の元へ直行し、そのままつい寝入ってしまった結果がこんな深夜のお話ということである。なので制服のままであったし、何度も起こしに来たエクスシアが再登場するまでは暗い廊下を一人で歩けない彼女が自分の部屋に帰れるはずもなかった。
「お父様っ! 宝物を入れるケースがやっと見つかりましたっ。これでどこへ行くのも安心、安全、鬼にウィスお姉ちゃんです!」
一言も発しない父親は布団からゆっくりと手を伸ばし、嬉しそうに紺色のスカートのポケットをゴソゴソとする娘の頭を優しく撫でる。輝くような金髪がサラサラと流れ、興奮ぎみで桜色になった夏耶の顔を落ち着かせようとしているかのようにそっと隠した。
それにしても誰が言っているのを聞いたのかは分からないが、この言葉が“鬼”の耳に入ったときのことを考えるとその者への同情を禁じえない。
「これですっ! お星様は夏耶の家の模様だから、宝物を入れるのにピッタリなのですっ」
そう言って取り出したケースは元々お菓子が入っていた五角星形の入れ物であったが、その割にはしっかりとした作りであるし描かれている模様も言われてみれば、どことなくレヴィン家の紋章に似ていないこともなかった。夏耶の首に巻かれているチョーカーにもレヴィン家の紋章は刻まれているし、小さい頃から自分たちを守ってくれる模様だよと教えられていたので、彼女はこの紋章がお気に入りなのであった。
そしてケースの中身はもう何度見せたかわからないであろう、双葉に描いてもらったイラストが大事にしまわれている。しかしこの日数回目の出番は、エクスシアのドアを開ける音によってキャンセルされた。
「ようやくお目覚めですかぁ、夏耶お嬢様。お部屋に戻っていないとまたアンテス様にしかられますよぉ。今、リスドールさんが来られてますので、こっそり戻っちゃいましょー」
「え!? リスドールが来てるのっ!」
「あ、えぇと、珍しいんですがティアナさんのほうですぅ」
「ぶー……。残念ですけど今日は戻りますっ。おやすみなさい、お父様」
ドアまではペタペタと独特の足取りで先行した夏耶だが、当然の如くそこから先はエクスシアの脚にしがみつくようにして部屋まで送ってもらうのであった。
このとき、アンテス司教を来訪したことによって日課のようになっている夏耶へのお説教の回数を減らすことに貢献したティアナという人物は、フルネームをティアナ・リスドールといい、その名前から想像できるように元処刑師長ベアトリクス・リスドールの実妹である。
だが二人の間には長きに渡り交流が無く絶縁状態であり、お互い子供の頃の容姿しか知らない。現在ティアナは処刑師の任に当たっており、この夜処刑師長を命ぜられることとなるが、それは皮肉にも過去のリスドールの軌跡そのものであった。
──次回予告──
ひなた:はい! ひなたがお送りする次回『おいしい吸血鬼の作り方』……って何、この灰は!?
ドライス:貴重な渋いニセ紳士、ドライス47歳参上。
ひなた:うわぁ、皆もう覚えてないって。
ドライス:何を! 短いスカートをはきおって、全くけしからん小娘が。
ひなた:仕方ないじゃん! 制服なんだから!
ドライス:それに大またでバタバタと歩く姿は、色気ゼロもいいとこだ。
ひなた:あーもう! トロトロしてたら怒られんのよ!
ドライス:というわけで次回予告。「ひなた、レギンスを装着せよ」お楽しみに。
ひなた:しないから……
駄文だなぁと痛感している兎和に活を
テーマ : 自作小説(ファンタジー) - ジャンル : 小説・文学
ベルセネ大聖堂の一角にある、今は限られた者しか近づこうとはしない小さな部屋。そこを訪れた誰もが部屋の主を間違えるであろう大きな要因となっている大量のぬいぐるみは、動物をモチーフにしたものもあれば、何かのキャラクターや空想上のものまで様々である。これら全てに名前がちゃんとつけられており、一見しただけでは見分けのつかない同種のぬいぐるみまでキッチリと把握しているのは所有者であり実行犯でもある夏耶だけだった。既にベッドから起き上がることも叶わない病床の父親が少しでも寂しくないように一つ、また一つと持ち込んでいるうちに部屋はぬいぐるみで埋め尽くされ、今では彼女の部屋よりらしくなってしまったという訳だ。
そんなぬいぐるみたちに混じり、ベッドの傍らで布団にしがみつきながら嬉しそうに話す夏耶。実は学校から帰宅してすぐに父親の元へ直行し、そのままつい寝入ってしまった結果がこんな深夜のお話ということである。なので制服のままであったし、何度も起こしに来たエクスシアが再登場するまでは暗い廊下を一人で歩けない彼女が自分の部屋に帰れるはずもなかった。
「お父様っ! 宝物を入れるケースがやっと見つかりましたっ。これでどこへ行くのも安心、安全、鬼にウィスお姉ちゃんです!」
一言も発しない父親は布団からゆっくりと手を伸ばし、嬉しそうに紺色のスカートのポケットをゴソゴソとする娘の頭を優しく撫でる。輝くような金髪がサラサラと流れ、興奮ぎみで桜色になった夏耶の顔を落ち着かせようとしているかのようにそっと隠した。
それにしても誰が言っているのを聞いたのかは分からないが、この言葉が“鬼”の耳に入ったときのことを考えるとその者への同情を禁じえない。
「これですっ! お星様は夏耶の家の模様だから、宝物を入れるのにピッタリなのですっ」
そう言って取り出したケースは元々お菓子が入っていた五角星形の入れ物であったが、その割にはしっかりとした作りであるし描かれている模様も言われてみれば、どことなくレヴィン家の紋章に似ていないこともなかった。夏耶の首に巻かれているチョーカーにもレヴィン家の紋章は刻まれているし、小さい頃から自分たちを守ってくれる模様だよと教えられていたので、彼女はこの紋章がお気に入りなのであった。
そしてケースの中身はもう何度見せたかわからないであろう、双葉に描いてもらったイラストが大事にしまわれている。しかしこの日数回目の出番は、エクスシアのドアを開ける音によってキャンセルされた。
「ようやくお目覚めですかぁ、夏耶お嬢様。お部屋に戻っていないとまたアンテス様にしかられますよぉ。今、リスドールさんが来られてますので、こっそり戻っちゃいましょー」
「え!? リスドールが来てるのっ!」
「あ、えぇと、珍しいんですがティアナさんのほうですぅ」
「ぶー……。残念ですけど今日は戻りますっ。おやすみなさい、お父様」
ドアまではペタペタと独特の足取りで先行した夏耶だが、当然の如くそこから先はエクスシアの脚にしがみつくようにして部屋まで送ってもらうのであった。
このとき、アンテス司教を来訪したことによって日課のようになっている夏耶へのお説教の回数を減らすことに貢献したティアナという人物は、フルネームをティアナ・リスドールといい、その名前から想像できるように元処刑師長ベアトリクス・リスドールの実妹である。
だが二人の間には長きに渡り交流が無く絶縁状態であり、お互い子供の頃の容姿しか知らない。現在ティアナは処刑師の任に当たっており、この夜処刑師長を命ぜられることとなるが、それは皮肉にも過去のリスドールの軌跡そのものであった。
ひなた:はい! ひなたがお送りする次回『おいしい吸血鬼の作り方』……って何、この灰は!?
ドライス:貴重な渋いニセ紳士、ドライス47歳参上。
ひなた:うわぁ、皆もう覚えてないって。
ドライス:何を! 短いスカートをはきおって、全くけしからん小娘が。
ひなた:仕方ないじゃん! 制服なんだから!
ドライス:それに大またでバタバタと歩く姿は、色気ゼロもいいとこだ。
ひなた:あーもう! トロトロしてたら怒られんのよ!
ドライス:というわけで次回予告。「ひなた、レギンスを装着せよ」お楽しみに。
ひなた:しないから……
駄文だなぁと痛感している兎和に活を
テーマ : 自作小説(ファンタジー) - ジャンル : 小説・文学
| ホーム |




wwwww
そして新キャラが!
リスドール様に妹君がいたのですねえ。
描きたくなる〜(´∀`)
上手いこと言うねえ夏耶お嬢様は♪
そして上記にて、描きたくなる発言が!
楽しみにしてます!(←コラ)
やっぱりそこですか!
キャラクターはもう毎回のように生み出していきたい気分なのですがっ。
>WAKAGASHIRAサマ
なんという嬉しい言葉っ♪
愛でてあげてくださいませー。
>しゃちこサマ
何かと評判がよくてよかったですっ。
楽しみにしてます2号!
しかしやっとの20台。最前線はもうすぐだ!(笑)
ぱわーだうんが激しい兎和でしたっ。