19:紅涙

予想はしてたものの、回数的に長かったリスドール&ウィステリア。
次からは双葉&伊吹デス、うん大丈夫。

↑の各回へ飛ぶリンクが増えてきたー。
あぁ、どうしよう。
それにコメント不精もなんとかせねばー。足跡魔人でございます。



 いつものサラサラとした美しい銀髪の姿はそこにはなく、残された右肩にかかる髪は赤く染まっていた。メイド服も無残に切り裂かれ、本来ならば白い素肌があらわになっていたであろうが、血の衣がそれを覆い隠す。
 羽織っていたコートで体を包み、頬を優しく撫でるリスドールのすすり泣く声だけが静寂さを取り戻した夜空に響いていた。
 立場的には相応しくないのかもしれないが、彼女は身近な者や仲間の死等に至って弱く、処刑師長を任されていたときも感情を抑えることができずに部下の前で涙を見せたことが多々ある。
 しかしそれが元は同じ組織員であった裏切者を始末するという非情な任務を与えられる処刑師たちにとって、やりきれない気持ちを理解し同じ十字架を背負う絆で結ばれているという証であり、リスドールという人物を慕う者が多い一因でもあった。もちろん当の本人は気丈に振舞おうと必死に頑張った結果がこれなのだが、そんなことは皆お見通しであることは言うまでもない。

 しかし今は抑えることはしない、する必要もない、抑えられるはずがなかった。涙が止め処なく溢れ、いつものリスドールにだけ分かる感情を秘めた無表情さとは全く違った、目を閉じたままのウィステリアを歪んで映す。

「私なんかの為に……バカ野郎。聞こえなかったのかい、許さないって言っただろう。一人置いてかれるのはもう嫌だ……」

 子供のように泣きじゃくりながら涙を拭うこともせず語りかけるリスドールを、慰めるかのような優しい風がゆっくりと通り過ぎた。長い髪をふわっと舞わせるその風は、うなだれた狼耳をけなげに起こそうとしているようである。

「ごめんなさいリスドール。服、ボロボロね」
「!?」

 幻覚や幻聴などという考えは喜びによって抹消され、頭をよぎることさえ不可能であった。いつも隣で暖かく自分を見つめていた赤い瞳が、もう聞くことの出来ないと思っていた安らぐ声が、自分に向けられている。

「ウィス!! ごめんね……私、あの……、置いてくな……服なんてまた作れば……違う、そんなことじゃない。しっかり……あぁ、何言ってるんだ」

 ぐずぐずになった顔には喜びや不安が入り混じり、まとまりのつかない言葉が次から次へと出てくる。だが整理して喋ることなど出来るはずもない。その時間でさえ惜しく感じられ、うまく伝わらないもどかしさで頬を撫でる指に力が入る。
 そんな指を力なくウィステリアが握り締めて言う。

「大丈夫だから……安心して。ご飯も作れないし……ゲームの相手もいなくなると困るでしょ。自分から誘うのに……負けると怒るけど……」
「あぁそうさ……。だから……勝手にいなくなるんじゃないよ……」
「私の……大切な居場所」

 そう消えるような声で短く言うと弱々しく握っていた手の力が抜け、再び静かに目を閉じた。リスドールの涙が零れ落ちたのか、それともウィステリアのものなのか左目から一筋の涙がすーっと流れる。
 その涙を優しく拭い、ゆっくりと抱きかかえ家の中へ歩き始めるリスドールの表情からは迷いや悲しみの色は消えていた。

「ウィスが大丈夫って言ったんだよ。だから大丈夫なのさ。私に一度だって嘘をついたことがあるかい? そうさ、何があっても絶対助けてみせる」

 自分に言い聞かせるように、蹴散らしても蹴散らしても襲ってくる不安に負けないように力強くそう呟くリスドールであった。


駄文だなぁと痛感している兎和に活を

テーマ : 自作小説(ファンタジー) - ジャンル : 小説・文学
この記事へのコメント
ウワァァ!!
良かった!ウィステリア(T◇T)
頑張って欲しい〜!!
ふなこ | URL | 2008/03/03/Mon 16:38 [EDIT]
よかったー!
ウィステリア!!
もうね、引き込まれちゃって。。。
言葉が出てこないっす(T▽T)
いき♂ | URL | 2008/03/03/Mon 18:15 [EDIT]
>ふなこ サマ
ウィステリア&リスドール好きが多い模様!
兎和も好きです、うん。
でも全てのキャラクターを愛していますっ。

>いき♂ サマ
なんという嬉しいお言葉!
さらにグイグイと引きずり込める……あ、楽しめるように頑張りマスっ。
兎和 | URL | 2008/03/03/Mon 22:13 [EDIT]
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