あれやこれやしているうちに1,000HIT、ありがとうございますっ!
これからもまた遊びにきたいと思っていただける、ステキ小説をガリガリと執筆したいと思いますので、よろしくお願いします。
本編は前回と今回で1つくらいの短さ。予定外に別れてしまった上に、何度となく消えた……。
下書きがあるから泣かない!
※ファンタジー小説のカテゴリにするとガッツリ消されるという、強烈ボディを数回いただきました(笑)

>02:30のお方
ありがとうございますっ!
元気のモトなので、大量の足跡は怪しまないでっ!
>12:54のお方
本当にありがとうございます!
登場人物は既に追いつけない域に達していますがっ。
イヤ、まだいける!
以下、本編をどうぞー♪
時計の針を少しばかり戻し、伊吹が最上階へ到達した頃。
双葉は一階正面にある、くたびれてはいるがまだしっかり機能する両開きのドアを開け、室内へと入っていった。鍵はかかっておらずすんなりと入れたのだが、屋内は当然のように暗く、せっかく雨から解放されたというのに暗闇が交代で登場するというすっきりしない引継ぎであった。目前に広がるフロアは最上階と同じく、広さをもてあましているといった感じの区切りのないスペースである。
「怖くなんかないぞっ。そこにいるのはわかってるのだ!出てこいっ!あーいや、そのままどっかいっちゃうなら無理にとは言わないから、出てこなくていいぞっ。私も結構忙しいし、うん、出てきたとしても見えないかもしれないし……って、見たいって意味じゃないぞ、絶対!」
フロアに入り数歩進んだところで物陰をビシっと指差してみたり、手をぶるんぶるんさせて怪しげな動きを見せてみたりと、一人で挙動不審さを炸裂させる双葉。もちろんそれに返事が返ってくることはなく、静まり返るフロア。部屋の隅にある階段を見つけ、ゆっくりと双葉が歩く音だけが不要なエコーを加えて静かに響く。
「だーだっだだだだだー、だーだっだだだだー。だだだっだだーだだーだっ」
沈黙を打ち消すように小さな声で妙な歌を口ずさみながら進むその顔は緊張でぎこちない笑顔となり、ロボのような動きになっていた。効果音をいれるとすれば、カクカクというのがピッタリであろう。
そんな調子でゆっくりゆっくり進み、あと少しで階段に到着するというところで不意にドアの開くキィっという、きしんだ音が邪魔をする。驚異的なスピードで振り返るが、そこには何の人影もない。僅かに動いただけだったのだろうか、既に扉は閉まっていた。
「な……なんだ、風か。ちーっとも怖くないし、驚かせようったってそうはいかないのだ!ばーかばーか!」
舌を出して言うその表情からは余裕などというものは全く感じられなかったが、大きめの声を出したことでいくらかは恐怖心が薄れたのだろう、階段の方へ勢いよく向き直り進もうとする。
そして次に視線に飛び込んできたのは、先ほど見た階段ではなく超至近距離な男の顔。しかも立っているのではなく、どういう原理なのか不明であるが天井からぶら下がっている。
「ひぎゃぁぁぁぁーーーーー!!」
ありったけの悲鳴を上げ、男の顔を見つめたまま涙目になりつつ猛スピードで後ずさりする双葉。離れてみてやっと男の全身が見えるが、でかい。身長は2メートル以上はあろうかという上に、筋肉隆々な巨体。そして短く刈り込んだ黒髪や体型とは全く似合っていない、いわゆる古いヴァンパイアのイメージなタキシード。
「戻ってみれば、こんなところにかわいいお嬢さんが。普段は仲間になんてしたりしないんだけど、どうしようかなぁ。でも勢いで血を全部吸っちゃうかもしれないなぁ。まぁー、楽しめればどっちでもいいかぁ」
ニヤニヤと下品な笑みを浮かべながら、間延びした口調で身勝手な双葉のこれからの運命の計画を言う。
しかし、どの選択肢を選ぶつもりもない双葉は、さっきまで怯えていたのが嘘のように落ち着きを取り戻し、やれやれといった表情で大きくため息をついた。
「なんだ、幽霊かと思ったらただのヴァンパイアじゃないか。それも血の匂いがする、下品な筋肉ダルマの。今日も生きるためじゃなく遊びで人を殺したのか、クローゼ」
「強気なお嬢さんだぁ。でもそれがどうしたぁ?人間なんてモノは、俺たちに狩られるためにウロウロしてるんだから、少しくらいいいだろぉ」
「お前もその人間だったんじゃないのか。私は人間の味方でもないし関係のないことだから、それはいい。ただヴァンパイアとなった今、お前は私の“狩り”の対象になった、それだけなのだ」
鋭い視線で睨みつける双葉とは対照的に、怪訝な表情をしつつもまだまだ余裕があるといった感じのクローゼは、その巨体には似合わない身軽さで天井から床へと降りる。動物のような動き、そういう例えが正に当てはまる動作だった。
「予定変更だぁ、吹っ飛べ!」
床を蹴り、驚異的な瞬発力で双葉に迫るクローゼは、そのまま力任せに右の拳を振り下ろす。ブンっという風を切り裂く音が実感できそうな、力に満ち溢れた一撃。それはドスンという重い衝撃音を響かせることに成功するが、クローゼの目的である双葉の体ではなく、彼女がかざした右手を中心に空中に描かれた、青い光の魔方陣に対してであった。
そして肝心の威力は反射されたのか、または吸収されてしまったのか双葉を一歩も後ろへ下がらせることも出来ない程であり、轟音だけが空しくフロアを駆け巡る。
「なんだ……これ」
「失われし血の福音も知らず、僅かばかりの肉体的能力に頼るヴァンパイアとは名ばかりのゾンビ。狩る者としての尊厳を失墜させぬためにも、愚かな連鎖の一端をここで断ち切る」
完全に威圧され後ずさりし、恐怖に満ちた表情のクローゼに向かって魔方陣から無数の青い光の尾を引いた光弾が撃ち出され、一瞬にしてその巨体を消滅させる。
「おやすみ……」
キラキラと宙を舞う光の破片に語りかけ、その一つに自分の姿を投影する。そして自分を繋ぎとめている運命の糸をまた一本、自ら切り落とした──そんなことをぼんやりと思う双葉であった。
ガンバレ!と声援を送っていただけるお方はブログランキングをべしっ!
テーマ : 自作小説(ファンタジー) - ジャンル : 小説・文学
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本編は前回と今回で1つくらいの短さ。予定外に別れてしまった上に、何度となく消えた……。
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>02:30のお方
ありがとうございますっ!
元気のモトなので、大量の足跡は怪しまないでっ!
>12:54のお方
本当にありがとうございます!
登場人物は既に追いつけない域に達していますがっ。
イヤ、まだいける!
以下、本編をどうぞー♪
時計の針を少しばかり戻し、伊吹が最上階へ到達した頃。
双葉は一階正面にある、くたびれてはいるがまだしっかり機能する両開きのドアを開け、室内へと入っていった。鍵はかかっておらずすんなりと入れたのだが、屋内は当然のように暗く、せっかく雨から解放されたというのに暗闇が交代で登場するというすっきりしない引継ぎであった。目前に広がるフロアは最上階と同じく、広さをもてあましているといった感じの区切りのないスペースである。
「怖くなんかないぞっ。そこにいるのはわかってるのだ!出てこいっ!あーいや、そのままどっかいっちゃうなら無理にとは言わないから、出てこなくていいぞっ。私も結構忙しいし、うん、出てきたとしても見えないかもしれないし……って、見たいって意味じゃないぞ、絶対!」
フロアに入り数歩進んだところで物陰をビシっと指差してみたり、手をぶるんぶるんさせて怪しげな動きを見せてみたりと、一人で挙動不審さを炸裂させる双葉。もちろんそれに返事が返ってくることはなく、静まり返るフロア。部屋の隅にある階段を見つけ、ゆっくりと双葉が歩く音だけが不要なエコーを加えて静かに響く。
「だーだっだだだだだー、だーだっだだだだー。だだだっだだーだだーだっ」
沈黙を打ち消すように小さな声で妙な歌を口ずさみながら進むその顔は緊張でぎこちない笑顔となり、ロボのような動きになっていた。効果音をいれるとすれば、カクカクというのがピッタリであろう。
そんな調子でゆっくりゆっくり進み、あと少しで階段に到着するというところで不意にドアの開くキィっという、きしんだ音が邪魔をする。驚異的なスピードで振り返るが、そこには何の人影もない。僅かに動いただけだったのだろうか、既に扉は閉まっていた。
「な……なんだ、風か。ちーっとも怖くないし、驚かせようったってそうはいかないのだ!ばーかばーか!」
舌を出して言うその表情からは余裕などというものは全く感じられなかったが、大きめの声を出したことでいくらかは恐怖心が薄れたのだろう、階段の方へ勢いよく向き直り進もうとする。
そして次に視線に飛び込んできたのは、先ほど見た階段ではなく超至近距離な男の顔。しかも立っているのではなく、どういう原理なのか不明であるが天井からぶら下がっている。
「ひぎゃぁぁぁぁーーーーー!!」
ありったけの悲鳴を上げ、男の顔を見つめたまま涙目になりつつ猛スピードで後ずさりする双葉。離れてみてやっと男の全身が見えるが、でかい。身長は2メートル以上はあろうかという上に、筋肉隆々な巨体。そして短く刈り込んだ黒髪や体型とは全く似合っていない、いわゆる古いヴァンパイアのイメージなタキシード。
「戻ってみれば、こんなところにかわいいお嬢さんが。普段は仲間になんてしたりしないんだけど、どうしようかなぁ。でも勢いで血を全部吸っちゃうかもしれないなぁ。まぁー、楽しめればどっちでもいいかぁ」
ニヤニヤと下品な笑みを浮かべながら、間延びした口調で身勝手な双葉のこれからの運命の計画を言う。
しかし、どの選択肢を選ぶつもりもない双葉は、さっきまで怯えていたのが嘘のように落ち着きを取り戻し、やれやれといった表情で大きくため息をついた。
「なんだ、幽霊かと思ったらただのヴァンパイアじゃないか。それも血の匂いがする、下品な筋肉ダルマの。今日も生きるためじゃなく遊びで人を殺したのか、クローゼ」
「強気なお嬢さんだぁ。でもそれがどうしたぁ?人間なんてモノは、俺たちに狩られるためにウロウロしてるんだから、少しくらいいいだろぉ」
「お前もその人間だったんじゃないのか。私は人間の味方でもないし関係のないことだから、それはいい。ただヴァンパイアとなった今、お前は私の“狩り”の対象になった、それだけなのだ」
鋭い視線で睨みつける双葉とは対照的に、怪訝な表情をしつつもまだまだ余裕があるといった感じのクローゼは、その巨体には似合わない身軽さで天井から床へと降りる。動物のような動き、そういう例えが正に当てはまる動作だった。
「予定変更だぁ、吹っ飛べ!」
床を蹴り、驚異的な瞬発力で双葉に迫るクローゼは、そのまま力任せに右の拳を振り下ろす。ブンっという風を切り裂く音が実感できそうな、力に満ち溢れた一撃。それはドスンという重い衝撃音を響かせることに成功するが、クローゼの目的である双葉の体ではなく、彼女がかざした右手を中心に空中に描かれた、青い光の魔方陣に対してであった。
そして肝心の威力は反射されたのか、または吸収されてしまったのか双葉を一歩も後ろへ下がらせることも出来ない程であり、轟音だけが空しくフロアを駆け巡る。
「なんだ……これ」
「失われし血の福音も知らず、僅かばかりの肉体的能力に頼るヴァンパイアとは名ばかりのゾンビ。狩る者としての尊厳を失墜させぬためにも、愚かな連鎖の一端をここで断ち切る」
完全に威圧され後ずさりし、恐怖に満ちた表情のクローゼに向かって魔方陣から無数の青い光の尾を引いた光弾が撃ち出され、一瞬にしてその巨体を消滅させる。
「おやすみ……」
キラキラと宙を舞う光の破片に語りかけ、その一つに自分の姿を投影する。そして自分を繋ぎとめている運命の糸をまた一本、自ら切り落とした──そんなことをぼんやりと思う双葉であった。
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