コソっと登場人物紹介など追加してみた。
そんなことより本編ガンバレ!と自分でも想いますが(笑)
はてさて、楽しんでいただいている方がおられるが激しく疑問ですが、それを信じて更新デス。
以下、本編のはじまりー。
最上階──この建物には電気が通っていないのか、そこは何本かのロウソクの灯りだけがぼんやりと灯っているだけだった。視界は悪い。だが、それは通常の人間の場合であり、彼らには十分な明度である。
本来ならばいくつかの部屋に区切られていたであろうフロアはボロボロに崩れ落ちた壁がその面影を残すのみで、今となっては有効活用し難いと思える広いだけの空間となっていた。
その片隅に、ビルの荒廃具合とは不釣合いな豪華で真新しい椅子から覗く人影。黒い革張りなそれは、大会社の社長が座ってそうなイメージがあるあの椅子である。こんな豪雨の夜空を眺めて気分がいいのか、壁際の方を向きクラシックを口ずさんでいた。
ジャリ……
雨と泥で疲労感を存分に漂わせる伊吹の靴が床に四散しているガラスを踏みつけ、フロアに響くクラシック(もっとも詳しい者が聞いても原曲が何であるか判断できないレベルではあったが)に不協和音を加える。するとまるでその音が合図であるかのようにピタっと歌うのを止め、そのままの背を向けた状態で語りかけた。
「早かったじゃないですか、クローゼ。この分だと、今日のお楽しみに付き合っていただいた哀れな出演者は三、四名程でしょうか」
「残念だが本日の下等な犠牲者は二名の予定だ、ドライス。そのクローゼってヤツはもう確定しちまってるかもしれないけどな」
ドライスと呼ばれたその男は素早く椅子を回転させながら立ち上がると、禍々しい殺気を発しながら伊吹を睨みつける。人間で言えば四十代といった感じの顔で、渋いスーツを着たその姿は一見上品さを装ってはいたが、赤く光る瞳は獲物を狙う獣のようであった。
「何者ですか、貴方は」
「神罰の代行者であり、神に仇なす愚かな者に裁きの鉄槌を」
一歩、また一歩とゆっくりドライスに近づく伊吹。その表情にはいつものにやけた笑みはなく、感情の無い機械のようであった。時を刻むかの如く、ガラスの破片や砂利を踏む音が一定のリズムを奏でる。
パンッ。
そんな凍りついた空間に響く乾いた銃声。ドライスの手に握られた拳銃から撃ち出された弾丸は、狙い通り伊吹の左胸を貫通し、突然の訪問者の無残な死体を一つ生み出したはずであった。
ジャリ……ジャリ……
だがしかし、ドライスの消滅へのカウントダウンは止まらない。何事も無かったかのように、歩を進める伊吹。
「人間の武器に頼る下衆なヴァンパイアめ。どうした、人を凌駕した能力を手に入れて満足なんだろう?お前の心は優越感で満たされたか?」
「く……、お前もヴァンパイアか。なぜ同胞である私を狙う。なぜ優れた能力を自由に使わない」
「俺は何もない、ただの人間だ」
伊吹はそう言い放つと右手でドライスの首を掴み、軽々と持ち上げる。苦しそうにバタつかせる足は既に床から宙に浮いており、空しく空気を蹴るだけであった。紳士ぶった仮面は既に剥がれ落ち、牙をむき出しにした獣の表情にうっすらと汗がにじむ。
そんなドライスを見つつ、ただの人間という自分の言った言葉が伊吹の心をざわつかせていた。
何の取柄もない、誰からも必要とされない人間だった。自分が存在する意味はあるのか、与えられた命を目的もなく消費していくだけの空虚な現実。
それ故にクロセルの実験体となることに何の抵抗も無かったし、その過程で死が訪れようとかまわなかった。理由が対ヴァンパイア兵器を作るための“素材集め”だとしても。
彼は思う。
自分こそがヴァンパイアを狩り続けなければいけない。屍のように生きていたあの頃へ戻らぬように。生きていく意味を守るためなら、邪魔をする者は全て排除する。それが彼自身の心を裏切る結果となろうとも……
そこまでで伊吹の思考は、彼の額に押し付けられた冷たい銃口の感触で急遽中断された。ドライスは先ほどまでの余裕のない表情からは一変し、敗者を見下すような醜い笑みを浮かべている。
「油断しやがって、このバカが。この俺が餌である人間などにやられてたまるか。化け物みたいな貴様もこれでおしまいだ」
言い終わると同時に何の躊躇いもなく引き金を引くと、銃声とともに伊吹の頭が大きく後ろへのけぞる。
しかし、それだけであった。この至近距離から外れた訳でも避けた訳でもなく、伊吹の額には命中したことを示す弾痕がしっかりと刻まれ、明らかに少なすぎる量ではあったが出血しているものの、ダメージはない。
「ば……化け物が」
「俺にとっちゃ、化け物と呼ばれている今のほうが生きてるんだ」
僅かに口元を上げ笑みを見せると、首を掴んだ右手の甲に静かに赤く輝く魔方陣が現れ、一瞬にしてドライスの体が灰となり断末魔の悲鳴を上げることも無く崩れ落ちる。そしてその灰に語りかけるかのようにつぶやく。
「かろうじて人間なのかな、俺。ヴァンパイアになったら、悪魔祓いの力が使えないだろ」
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テーマ : 自作小説(ファンタジー) - ジャンル : 小説・文学
そんなことより本編ガンバレ!と自分でも想いますが(笑)
はてさて、楽しんでいただいている方がおられるが激しく疑問ですが、それを信じて更新デス。
以下、本編のはじまりー。
最上階──この建物には電気が通っていないのか、そこは何本かのロウソクの灯りだけがぼんやりと灯っているだけだった。視界は悪い。だが、それは通常の人間の場合であり、彼らには十分な明度である。
本来ならばいくつかの部屋に区切られていたであろうフロアはボロボロに崩れ落ちた壁がその面影を残すのみで、今となっては有効活用し難いと思える広いだけの空間となっていた。
その片隅に、ビルの荒廃具合とは不釣合いな豪華で真新しい椅子から覗く人影。黒い革張りなそれは、大会社の社長が座ってそうなイメージがあるあの椅子である。こんな豪雨の夜空を眺めて気分がいいのか、壁際の方を向きクラシックを口ずさんでいた。
ジャリ……
雨と泥で疲労感を存分に漂わせる伊吹の靴が床に四散しているガラスを踏みつけ、フロアに響くクラシック(もっとも詳しい者が聞いても原曲が何であるか判断できないレベルではあったが)に不協和音を加える。するとまるでその音が合図であるかのようにピタっと歌うのを止め、そのままの背を向けた状態で語りかけた。
「早かったじゃないですか、クローゼ。この分だと、今日のお楽しみに付き合っていただいた哀れな出演者は三、四名程でしょうか」
「残念だが本日の下等な犠牲者は二名の予定だ、ドライス。そのクローゼってヤツはもう確定しちまってるかもしれないけどな」
ドライスと呼ばれたその男は素早く椅子を回転させながら立ち上がると、禍々しい殺気を発しながら伊吹を睨みつける。人間で言えば四十代といった感じの顔で、渋いスーツを着たその姿は一見上品さを装ってはいたが、赤く光る瞳は獲物を狙う獣のようであった。
「何者ですか、貴方は」
「神罰の代行者であり、神に仇なす愚かな者に裁きの鉄槌を」
一歩、また一歩とゆっくりドライスに近づく伊吹。その表情にはいつものにやけた笑みはなく、感情の無い機械のようであった。時を刻むかの如く、ガラスの破片や砂利を踏む音が一定のリズムを奏でる。
パンッ。
そんな凍りついた空間に響く乾いた銃声。ドライスの手に握られた拳銃から撃ち出された弾丸は、狙い通り伊吹の左胸を貫通し、突然の訪問者の無残な死体を一つ生み出したはずであった。
ジャリ……ジャリ……
だがしかし、ドライスの消滅へのカウントダウンは止まらない。何事も無かったかのように、歩を進める伊吹。
「人間の武器に頼る下衆なヴァンパイアめ。どうした、人を凌駕した能力を手に入れて満足なんだろう?お前の心は優越感で満たされたか?」
「く……、お前もヴァンパイアか。なぜ同胞である私を狙う。なぜ優れた能力を自由に使わない」
「俺は何もない、ただの人間だ」
伊吹はそう言い放つと右手でドライスの首を掴み、軽々と持ち上げる。苦しそうにバタつかせる足は既に床から宙に浮いており、空しく空気を蹴るだけであった。紳士ぶった仮面は既に剥がれ落ち、牙をむき出しにした獣の表情にうっすらと汗がにじむ。
そんなドライスを見つつ、ただの人間という自分の言った言葉が伊吹の心をざわつかせていた。
何の取柄もない、誰からも必要とされない人間だった。自分が存在する意味はあるのか、与えられた命を目的もなく消費していくだけの空虚な現実。
それ故にクロセルの実験体となることに何の抵抗も無かったし、その過程で死が訪れようとかまわなかった。理由が対ヴァンパイア兵器を作るための“素材集め”だとしても。
彼は思う。
自分こそがヴァンパイアを狩り続けなければいけない。屍のように生きていたあの頃へ戻らぬように。生きていく意味を守るためなら、邪魔をする者は全て排除する。それが彼自身の心を裏切る結果となろうとも……
そこまでで伊吹の思考は、彼の額に押し付けられた冷たい銃口の感触で急遽中断された。ドライスは先ほどまでの余裕のない表情からは一変し、敗者を見下すような醜い笑みを浮かべている。
「油断しやがって、このバカが。この俺が餌である人間などにやられてたまるか。化け物みたいな貴様もこれでおしまいだ」
言い終わると同時に何の躊躇いもなく引き金を引くと、銃声とともに伊吹の頭が大きく後ろへのけぞる。
しかし、それだけであった。この至近距離から外れた訳でも避けた訳でもなく、伊吹の額には命中したことを示す弾痕がしっかりと刻まれ、明らかに少なすぎる量ではあったが出血しているものの、ダメージはない。
「ば……化け物が」
「俺にとっちゃ、化け物と呼ばれている今のほうが生きてるんだ」
僅かに口元を上げ笑みを見せると、首を掴んだ右手の甲に静かに赤く輝く魔方陣が現れ、一瞬にしてドライスの体が灰となり断末魔の悲鳴を上げることも無く崩れ落ちる。そしてその灰に語りかけるかのようにつぶやく。
「かろうじて人間なのかな、俺。ヴァンパイアになったら、悪魔祓いの力が使えないだろ」
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中々家でパソを見てる時間がないので、携帯に
テキストでダウンロードしてですが。。。
素人意見ですが、全体的に細かい描写が多い
ので、多少メリハリがあると個人的にはもっと読
みやすくなるかなと思いました。
でも、特に序章なんかはぐいぐい引き込まれまし
たよっ
明日の通勤時間は3話と人物紹介読んでますっ
何はともあれ、続きも楽しみに待ってますので
がんばってくださいっ
メリハリですねっ。貴重なご意見しっかりと受け取ります。
本気でコメント嬉しくてがんばりますっ。
本当にありがとうございました!